舞妓さんは芸妓さんなる為の見習い期間中です。
舞妓さんにも更に見習いもあり、経験年数でどの段階なのかメイクと髪型着付けで見た目でわかるんです。
仕込みさん
まず舞妓の見習いの見習い、ここからはじまります。
置屋さんに志願して正式に採用がきまったら、舞妓さんとしてデビューするまでの約1年間の修業期間しなければいけないので、表舞台に顔を出すことはありません。
なので服装は普段着の着物で、髪も結わず、お化粧もしません。
最初は行儀作法などを学び、舞や踊りのお稽古を午前中にして昼間は置屋での雑事、家事や事務手配等の仕事から始まります。
夕方からはおねえさん舞妓の支度の手伝い、夜中2か3時にお座敷から帰って来るまで寝ずに待ち、帰って来るころには玄関で正座で待ってます。
かなりハードな毎日で忍耐力が必須ですね。
生活そのものが修行で、おねえさん舞妓に付き、厳しい仕来たりの中で下っ端としてひたすら裏方で働き続けるのが仕込みです。
こうして辛い毎日の修行を続けて舞妓としての要素が合格ラインに達すると、ようやく舞妓の見習い舞妓のお許しが出ます。
見習いさん
見習いさんの髪型から紹介しましょう。
割れしのぶ
髪型は店出しから2年間続く地毛を「割れしのぶ」という赤い鹿の子が見える様に結いますが、毎日結い直すのではなく一週間に一度だけなんです。
他の日は乱れ髪を櫛を当てお直しだけで。
出典:http://otabiyousitu.eshizuoka.jp/c48992.html。
着物は舞妓さんとほぼ同じものですが、帯だけは長さがだらりの帯の半分の「半だら」結びで。
履物は「オコボ」、歩くとコボッコボッと音がする由来で10cm位の厚底の下駄で危なさそうですけど、歩くのは置屋とお茶屋までの間だけです。
舞妓さんには欠かせない白塗りですが、なんとお相撲さんも使っている鬢付け油を使用します。
手で温めた油を首と顔にうすく伸ばし、水で溶かした真っ白な練白粉を顔、胸元と襟足も二本足に刷毛で塗りますが、慣れたら自分でするのだとか。
手間がかかりそうですが慣れると、お化粧は30分~1時間で出来上がるようです。
口紅は舞妓さんは上下です。
口紅は下の唇だけ
そう言えば上唇はどうした!? と思った事ありませんか?
見習いさんは口紅の塗り方と帯の半だら (だらりの帯の半分の長さ)で、わかります。
半だらの帯
下の画像の右が見習いさんの半だら、左がだらりの帯です。
見習いさんになって1ヶ月過ぎると、晴れて舞妓デビューの時です。
舞妓さん
いよいよ待ちに待った舞妓さんデビューです。
出典:http://gottuan7.blogspot.com
舞妓さんになってからも、口紅は1年ほどは下唇だけで2年目位で上唇も塗れるようになれます。
帯は、半だらから「だらり」と呼ばれる長い帯を締めます。
なので、舞妓1年目は口紅が下だけでだらりの帯なら1年目だとわかりますね。そして2年目からは口紅を上下に塗ります。
こうして少しづつ大人びた雰囲気へ変わっていきます。
髪型は、舞妓3年目からの髪型はおふくと言う赤い鹿の子が、後ろだけ見える様に結い変えます。
髪型のおふく
舞妓の襦袢の襟は赤地に白色の糸で刺しゅうがされますが、年数が経つにつれて、赤地の少ない衿に代わっていきます。
下駄の鼻緒も舞妓になりたての頃は真っ赤ですが、だんだんピンクやみどりや水色などの鼻緒になります。
同じく、化粧などもだんだんとうすくなり、かんざしに色のバリエーションが増えてくのだとか。
そして舞妓デビューから5年ほどすると、今度は1人前の芸者へと襟替えという儀式で変身していきます。
襟替えとは 芸妓へのお披露目の時に、襦袢(ジュバン)の襟の色をこれまでの赤襟から白襟に変える事です。
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舞妓さんの最後の段階
髪型は先笄は(さっこう)と言う地毛で結う最後の髪型となり独特の複雑な結い方で、左側にはおおめでたい松に鶴の飾りの簪を刺します。
襟足は店だし同様三本足で塗られ、舞子として最後のお披露目で着物は黒紋付きの振り袖に金の帯の正装です。
髪型の先笄(さっこう)
来る日も来る日も耐えながら、この店だしを待つのです。
デビュー最初の3日間は黒の紋付の正装で、うなじの白塗りは普通はW型の二本脚を、三本脚にします。
側後ろの割れしのぶの髷の下からでてるピラピラが特徴で、髪の前には短冊状の光る銀色の簪一対を左右に刺します。
舞妓としての最後の2週間であり、初めての表舞台に緊張しそうですね。
名前は同じ置屋で自分の後見人となるおねえさん舞妓が菊千代であれば、名前に1字か2字をもらい小菊というよに、 置屋の前に自分の名前の入った表札を掲げてもらって舞妓生活の始まりです。
自分の名札を見た時には、意気込みと嬉しさでいっぱいなんでしょうね。
芸妓としてデビューする日が決まると、修業の集大成として、「店出し」という最後の舞妓としての仕事です。
芸妓となったら、もう地毛では結わず島田のカツラ(結婚式で花嫁が付けるカツラ)の髪型です。
やっとここまでこれた・・・ と言う感慨深いものがあるのでしょうね。
まとめ
華やかな表舞台に立つ裏では、沢山の人の手とお金が掛けて舞妓さんを作り上げていく訳ですから、5年間はお給料が無いと言うのは分かる気がします。
辛い修行に耐えられず音をあげてしまうのは、仕込みさんの3か月目くらいです。
見習いさんからは、途中でやめる訳にいかないので相当な覚悟が必要なんですね。
普通は本物の舞妓さんを生で見る事ありませんが、チャンスがあれば1度はお座敷遊びをしてみたいものですよね。