フランス人が大嫌いなトンボ!!エミール・ガレを覆したのは日本だった

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フランスのアールヌーボーの巨匠エミール・ガレが「うちふるえるトンボを愛する者これを作る」との銘を刻み込んだ。

トンボに愛着した訳は、ガレを虜にしたジャポニズムだった!

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エミール・ガレのトンボ

フランス人の大嫌いなトンボが、ガレのモチーフになったのは、ジャポニズム(日本趣味)に強く惹かれ、花鳥風月の美の虜になっていった事でした。

トンボが獲物を鷲づかみにして襲う肉食性を、フランスではドラゴンフライと呼ばれ不吉悪魔の虫地獄からの使いとして昔から忌み嫌われてた存在でしたが・・・。

日本では古くから秋の季語でもあり、儚い命と可憐な姿は親しまれています。

そんなトンボを愛する日本人の心をエミール・ガレは理解していたのかもしれません。

だからこそ、トンボのモチーフで数々の作品を作ったのではないでしょうか?

トンボを愛したガレの作品たち

「高さ14cmの蓋つきボトル」

因みに少し前まで160万円の値段が付いてましたが、コレクターの目に入ると直ぐに渡ってしまうのだとか。

典:https://antique-tableware.com/?pid=95338916

ガレを象徴する被せガラスは、鉱物との融合させた色ガラスを幾層も重ね合わせて立体感を生み出す技法です。

トンボと水辺の花 アロマランプ

   出典:http://toub.jp/news-all.html

トンボのモチーフは作品に多用されてますが、ガレのフィルターを通して日本とフランスの芸術を取り入れた姿に変え生れてます。

ガラスの脚付杯

出典:http://korokoroblog.hatenablog.com/entry/2016/07/22/Emile_Gall%EF%BD%85ten

最晩年に制作されたこの作品は、商品として作られたものではありませんでした。

すでに白血病で死を予感していたガレが、トンボの儚さと自分を重ね合わせたのか、近しい友人や親戚に形見として送ったと言われる5点のうちの1つ。

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ガレは才能を発揮したのはガラスだけではなく、多くの木材の色を組み合わせてはめ込みで装飾する象嵌細工も国際的な 高い評価を得ている。

ガラスと同様に植物や生物の精緻な表現が、自然に対する崇敬が感じられます。

テーブルの天板

出典:https://antique-tableware.com/?mode=cate&cbid=1956097&csid=0&sort=n

脚がトンボのテーブル

出典:https://blogs.yahoo.co.jp/nagacumatz04/50547800.html

ガレと言えばアールヌーボー、アールヌーボーと言えばガレですね。

欠くことのできない自然への情熱や象徴的な感性を作品に投影してます。

高さ75cmの三本脚テーブル

出典:https://antique-tableware.com/?mode=cate&cbid=1956097&csid=0&sort=p&page=4

1900年の万博に出品した三脚のオリジナル。

忠実に再現されたレプリカでも415万8000円の値。

上部にトンボの群れ下部に蝶々のキャビネット

ガレの工場の扉に掲げられていた言葉は「わが根源は、森の奥にあり」でした。

当時のジャポニズム愛好家たちの間では、トンボを日本の象徴とする気運さえ生まれつつあったのだとか。

そもそも日本の美術工芸品が、一気に世界へ輸出されたのは、黒船が来て鎖国が終わった明治維新から。

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ガレが虜になったジャポニズム

1846年フランスのナンシーで生まれ、1904年白血病により58歳で他界する迄の約30年間で、アールヌーボーの巨匠として世界に名を馳せた。

21歳の時に、万博で度々入賞した陶磁器の画家である父に同行したパリ万博で、ガレは出品されていた数多くの日本美術品を直接目にし、衝撃を受けたのでした

25歳頃からは、日本の様々な美術品のを収集しはじめ傾倒していき、初期の頃のガレの作品には、葛飾北斎の北斎漫画のモチーフから。

ガラスの花器の鯉

出典:http://torinakukoesu.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post-1804.html

日本の美に憧れたガレの陶器

出典:http://www.yumebi.com/acv35.html

特にフランスでは、日本の美術工芸品の浮世絵や琳派だけでなく、扇子や陶器までもが輸出され魅了されていた。

後の日本画家の高島得三が学生の時出会い、 日本美術の基礎知識を教わりながら、より日本の美の虜になった。

伊万里風錦手獅子燭台

出典:https://antique-tableware.com/?pid=104038140

下部の辺りは、まるで伊万里焼の柄ですね。

パリ 万国博覧会に独自に開発したコバルトにより淡青色に発色させた ガラス部門で グランプリの作品

光色の花瓶

出典:http://www.mmm-ginza.org/special01-02.html パリオルセー美術館所蔵

アンシンメトリーの調和のとれた美しさ、日本文化の影響が色濃く出てます。

ジャポニズムにより開花された素晴らしい感性と才能は、パリ万博を機にそれまでの価値観を全て覆す植物・昆虫によってアールヌーボー巨匠として不動の地位に。

 まとめ

装飾工芸技法の表現力は、今も世界の人々を魅了してますが、特に日本人が魅了され続けている訳ですね。

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