名実ともに世界一の日本庭園を、アメリカのジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニングは「神管理」と絶賛!
足立全康(あだちぜんこう)が71歳から庭園造りを始め、美術館の作品と供に東京ドーム3.5倍の庭園は、91歳で亡くなるまで情熱を注いだ。
自ら手掛けた庭園は世界一となり、外国人観光客が押し寄せる秘密とは、
外国人急増の訳
80年の歴史あるガイドブック、フランスの『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』で3つ星(*わざわざ旅行する価値がある)を維持しヨーロッパでは高い評価。
アメリカでは日本庭園専門誌『ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング』全国900カ所の庭園のランキングで14年間連続日本一に選ばれています。
足立美術館には来場者年間50万人中、昨年の外国人来場者数は2万5千人なので20人に1人は外国人になりますね。
創設者の足立全康は
そんな高評価の庭園を創り上げた創設者の足立全康は、もとんでもない人でした。
1899年 (明治32年) 2月8日~1990年(平成2年)12月19日
島根県保樹氏古川町の貧しい農家に生まれ、家業を手伝いながら尋常小学校卒業後に、14歳の時大八車で炭を売って歩く商売をかわきりに商人の道に。
ある日ふと立ち寄った画廊で開眼の元となる、横山大観の「蓬莱山」を観て決意。
出典:https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/v448490308
この絵を買えるくらい立派になってやる。
その後紆余曲折をしながらも、類稀な才能は不動産投資を手がけるようになり、裸一貫一代で莫大な財産を築く。
やり出したらとことんやる人だった。
中途半端は大嫌い、だから、びっくりするくらい絵を買った。
現館長で全康さんの孫、足立隆則氏
1970年71歳の時に財団法人足立美術館を設立。
1977年78歳で名古屋の北沢コレクションの横山大観喉から手が出るほど惚れ込んでいた作品、雨霽る(あめはる)に出会い買い取る亊ができた。
財力だけではできない事業は、持って生まれたセンスと培った知識と情熱とが、満を持したかの様に夢が現実となった。
美を追求する彼の心血を注いだ生涯の一大事業は、名実ともに世界一の日本庭園と輝いたのです。
美術館のコレクション
上記の足立全康が手掛けた美術館がすごくない訳がない!
どれほどのものかと言うと、美術館の代表とも言える横山大観の作品は、日本屈指の規模130点もの数で、他にも近代日本画の名だたる粋を集めて展示されています。
収蔵されている作品の有名日本画家
横山大観の他、竹内栖鳳、橋本関雪、川合玉堂、上村松園 榊原紫峰のほか、北大路魯山人、河井寛次郎の陶芸、林義雄、鈴木寿雄等の童画、平櫛田中の木彫など。
あまり詳しくない人でもTV番組の「何でも鑑定団」で名前位は聞いた事はあるかも知れませんよね。
横山大観が大好きな足立全康は門外不出の「幻のコレクション」といわれた北沢コレクションを四方八方手を付くした。
2年越しの交渉でようやく入手の予定がキャンセルになった時の事です。
念願の絵画、雨霽る(あめはる)を直前に断わられ時のセリフが有名である。
一目惚れの女性に2年も通い続けて枕金も決め、さあ床入りという時に、枕をかかえて逃げられるようなもんだ。そりゃあんまりじゃないですか。
と、倒産した長野県諏訪市の東洋バルブ管財委員会の前で一席ぶち、泣き落とすようにして手に入れた執念の作品です。
出典:https://www.adachi-museum.or.jp/shop/products/detail.php?product_id=31
5万坪の庭園
日本一の美術館にふさわしい庭園がまたすごい!
若い頃から何よりも好きだった庭造りへの関心が、自らが全国を歩いて庭石や松の木などを捜してきて、ようやく実を結んだのです。
造園を手掛けた当時は、高齢にして庭園中を自ら走り、植木の向きや位置を確認して職人に指示してました。
何しろ広大な土地なので、納得できる庭園完成までに走らないと時間を要する事に。
「庭園もまた一幅の絵画である」と言う通り、館内には、「生の掛け軸」という仕掛けも。
出典:https://www.adachi-museum.or.jp/tea_house
出典:http://www.yasugi-kankou.com/index.php?view=5287
床の間の壁をくりぬき、そこから庭園を望むことであたかも一枚の掛け軸のような庭園絵画を鑑賞でき、窓を額縁にみたて、背景を生きた絵画としてというものです。
広大な庭園は借景という、遠景・中景は自然を利用し、近景だけを合わせて造る技法を用いているが、一体化し雄大な景色となる。
借景を用いた「枯山水庭」
出典:https://www.kankou-shimane.com/pickup/2901.html
庭園は他に「白砂青松庭」「苔庭」「池庭」など6つに分かれているが、特に「白砂青松庭」は誰が見ても満足できる庭と本人が生前推奨。
出典:https://www.kankou-shimane.com/pickup/2901.html
徹底した管理
足立美術館専属の庭師が毎朝庭をチェックしたり、全職員が365日毎朝開館前にする1時間の掃除は、雨の日雪の日も行われるているとの事です。
砂場や芝生の掃除に年間360本も竹ぼうきを使うのだとか。
細部まで手入れされたツツジやカエデなどの木々が 四季折々の違った彩の表情を見せる庭の手入れは徹底され、夏の赤松の手入れだけでも800本あるのだそう。
成長と供に幹が太くなりイメージが変わってしまう松に備え、5年・10年、20年もののストックは400本のさまざまな大きさや形の松を育てている。
まとめ
ずっと思い続けていると、高齢になっても夢は実現するんですね。
こんな素晴らしい場所が灯台下暗しで終わらない様、ぜひ一度は行って見て頂きたいものですね。