《歌舞伎の掛け声その1》1階客席からはいけない?初めは安く見れる幕見席がおススメ

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先日、歌舞伎座に出ている勸玄くんの公演中、セリフ直前に「カンカンーーー!エライ!!」と女性の声が、あわや番狂わせ?の掛け声に、舞台・客席ドン引き!!!

話題になりましたね。

歌舞伎を見に行く前に知って置きたい、掛け声のルールとはなんでしょうか?

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1階客席から掛け声を出さない暗黙のルール

3階後方奥の幕見席からの掛け声は、天井に反射して声が通っていいのですが、1階客席は舞台に近すぎ、役者も観客も不快な声になってしまうのだとか。

歌舞伎の舞台は男の世界!掛け声も男性のみ。

先週、白狐(びゃっこ)姿の勸玄くんが花道からトコトコとスキップしながら、最初のせりふを言おうとしたその時、女性の甲高い声で、「カンンー!エライー!」と。

「成田屋~!」や「待ってました!」ではなく、、、しかも間が悪い!!

提供:http://01.gatag.net/0011062-free-photo/

今回の様な女性の掛け声は、たとえ1階桟敷席で正装してたとしても、初めて来て1人よがりな・目立ちたい・場が読めないと疑われてもしかたないKYの最たるもので、顰蹙を買ってました。

1階の舞台近くから4歳児の初舞台のセリフ直前で、その意味では、なかなか勇気ある自爆発言ですね。

イエローカード級とは、本人には今も気づいてはいないのかも。

では、どこから誰が?

この3階後方奥の幕見席が、木戸銭御免(入館料無料)で《大向こう》専属の人の席です。

歌舞伎座木戸銭御免の通行証と入場証

出典:http://www.wajuku.jp/index.php/archives/1109

大向こうとは、同じ歌舞伎舞台に、何度も通う常連客の一幕見(ひとまくみ)席で、好きな所を一幕だけ見られるこの席は、芝居通の知る人ぞ知るの席でした。

昔から、掛け声を発する通の贔屓筋を、役者や芝居の関係者から敬意や親しみをこめて「大向こう」と呼んでいます

原則は誰が声を掛けてもいいですが、普通大向こうのグループに入っている人達で、東京には弥生会・寿会・声友会の3つの大向こう同好会があるそうです。

グループの会員になりたい人は、同好会のメンバーからお誘いがあれば入れるのだとか。

 提供:http://8mada.at.webry.info/201406/article_22.html

幕見席で、常連客の掛け声の内容やタイミング・声の出し方等、直に聞いて覚える方が早いですね。

ただし、男性しか入れないのだそうですよ。

なので、1階からの掛け声や、女性の掛け声は昔からしない事が、暗黙のルールでした。

歌舞伎は舞台も客席も男性優位の社会なんですね。

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一幕見席は4階にもある

提供:http://www.shochiku.co.jp/play/kabukiza/makumi/

銀座の歌舞伎座は、観光客や自分で並んで当日券を買う大向こうの方は、4階幕見席に。

観光客等が入れる専用エレベーターがチケット売り場のすぐ裏にあり、ジーンズやラフなジャケット姿でも入れますよ。

1・2階客席・桟敷席の和服などのキチンとした装いをしている方達が、逢わなく手も済む別の出入り口に直通のエレベーターで。

当日券のみで予約かできない幕見席は、全てが自由席で、普通は椅子席約90、立見約60の約150名の定員が入れるようになっています。

月の演目や、観覧時間などによって、料金も違うようですが、勸玄くんのでる2幕目の料金も安くて2000円で見れるんですよ。

但し、今回の勸玄くんの様に宙乗り公演は幕見席でも、すぐに売り切れ状態のようです。

初めての人は、まず料金的にも手ごろな幕見席で、掛け声のタイミングや雰囲気を味わってみるのもいいですね。

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掛け声のタイミング

決まった場面で掛け声をかけています

「間は魔に通じる」と言われ、歌舞伎役者は間を一番大切にしています。

また、雑音やヤジに聞こえる様な中途半端な掛け声は、他のお客様を白けさせてしまいますね。

慣れていないと、掛け声をかけるのはタイミングを誤ったりしがちで、役者の命である間舞台の雰囲気を壊してしまい、台無しになる場合もあります。

自分勝手に掛け声をかけるのは、やめた方がいいですね。

「掛かる間が悪いと、セリフが言い出しにくいことがある」
引用:歌舞伎俳優、上村吉弥さん

あまりのタイミングの間の悪さに、周囲をドキッ!とヒンシュクを買った女性の掛け声に、勸玄くんはセリフが遅れただけで、怯む事もなく、堂々と無事続ける事ができました。

さすが! すでに大物オーラが出始めましたか!

関連記事:《歌舞伎の掛け声その2》大向こうは、どんな言葉をかけるの?

まとめ

以前母と歌舞伎座の1階席でしたが、たまに18番等をを見に行きました。

見栄を切る時など、絶妙なタイミングでよく通る掛け声で、客席と舞台の一体感が感じられます。

昔から引き継がれた、大向こうの伝統ですね。

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